常時10人以上の会社は就業規則が必須です

就業規則は、すべての会社に存在するルールブックのようなものですが、このルールブックは入社すると必ず内容の確認が求められます。
会社によっては1ページ目から順番に総務部担当者が説明をしてくれるところもありますし、冊子を渡されて時間があるときに読むようにいわれることもあるわけです。
そもそも、就業規則にはどのようなことが明記されているのか改めて考えるとぼんやりしていてあまり覚えていないといった人も多いのではないでしょうか。
主に、賃金・労働時間・休日・休暇といった労働条件をはじめ、服務に関する事項やオフィス内などの職場で従業員が守らなければならない規則を定めているものです。

就業規則を作る最大の目的とは

このようなルールブックを作る最大の目的は、企業の健全な事業を維持するためや発展させるなどの役割がある、そして記されている内容はすべて法律で規定されている記載事業および義務に基づいているなどの特徴を持ちます。
このルールブックの法的な根拠は労働基準法の第89条の規定にあるといわれていますが、総務部や規則を作る側でなければあまり認知している人は少ないものです。
さらに、この規定の中には、常時10名以上の労働者を使用する使用者は、定められた項目の規則を作るなどの義務付けがある、これも会社を経営していない人などでは知らないケースは多いといえましょう。

参考/就業規則 ない

これから会社を作る人へ

最近は、会社を立ち上げる人も多くなっていますが、会社を作り規模を拡張させるときなどこのような知識を得ておかないと行政からの指導を受けることになるので注意が必要です。
会社を立ち上げることで税金面での優遇を受けられる、経費で認めて貰える範囲が広くなるので節税効果を期待できる、社会的に信頼されるようになるのでリース契約や金融機関の融資が受けやすくなるなど、色々なメリットがあるわけです。
最初は一人で運営を行っていても、事業が軌道に乗ってくればビジネスも拡大したくなるわけで、従業員を雇用するといった際にはルールブックでもある就業規則は作成すべきではないでしょうか。

定款で定められている項目

株式会社や合同会社を設立するとき、会社の憲法ともいわれている定款を定めることになりますが、この定款は必ず掲載しなければならない項目でもある絶対的記載事項や定めておくと後々有利になる相対的記載事項、任意で定めておける任意的記載事項の3つで構成されています。
就業規則についても、このような3つの項目で区分されているのが特徴で、就業における規則については絶対的必要記載事項をはじめ、会社内で制度の形で設ける際に掲載しておかなければならない相対的必要記載事項、そして任意で良いとされる任意の記載事項の3区分が存在していることも覚えておきましょう。

絶対的必要記載事項について

絶対的必要記載事項は、どのような会社でも必ず記載が必要になる項目ですが、具体的には3つの項目にわけることができます。
労働時間関連をはじめ、賃金関連や退職関連、この3つは絶対的必要記載事項に相当するため最小限定めて規則に計上しておく必要があるわけです。
労働時間関連では、始業時刻や終業時刻、休憩時間や休日・休暇といった内容を記して賃金関連では、賃金の決定や計算および支払方法そして賃金の締め切り日および支払時期、昇給などの内容を網羅させなければなりません。

退職関連の項目の場合

退職関連の項目の場合は、退職・解雇・定年に関する事項やこれらの手続きなども含まれますし、解雇の事由も含めておく必要があるといいます。
退職と聞くと退職金についても退職関連内に記載が必要のイメージになりますが、退職手当は絶対的必要記載事項ではなく、相対的必要記載事項の中で定めておく必要があるので注意が必要です。

相対的必要記載事項について

相対的必要記載事項では、退職手当・臨時の賃金や最低賃金額・費用負担・安全衛生・就業訓練・災害補償・や業務外の傷病扶助・表彰や制裁、その他にも当該事業所の労働者全員に適用される決まりに関する項目、これら会社内で制度かして設けるときに必要な項目を記載する形になるわけです。
3つ目の任意の記載事項は、特別定めるものがない場合には掲載は不要ですし、任意の記載事項の場合は労働基準法では定められているものではなくそれぞれの会社の中で任意に定めておきたい項目があるときに限り定めておけば良い部分です。

例えば、社是や社訓・会社の理念や就業規則の制定における目的や趣旨、入社に関する事項や人事異動に関する項目などが任意の記載事項の一例になります。
職務区分や職制に関する項目を追加したいときや、服務規則や守秘義務などに関することも記載しておきたい、このようなケースは多いといえましょう。

まとめ

従業員の数が増えれば職務区分や職制などの取り扱いも出て来るでしょうし、顧客から大切なデータ書類などを借りて作業するような会社などでは守秘義務といったこともコンプライアンスの中で重要なものとなって来ますので、就業規則の中の任意の記載事項でしっかり定めておいて情報漏洩などの事前措置を図ることは大切です。